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「歩く問題児は健在だね。」

「歩く問題児は健在だね。」

 

 

桂はここに来てまで問題の中心にならないでと笑った。

 

 

「私だって巻き込まれたくないですよ。」

 

 

口を尖らせて抗議してくる三津を桂は愛おしそうに見下ろした。それから冷めきった目で赤禰を見た。

 

 

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『八つ当たり俺に来た……。』

 

 

赤禰が顔を引きつらせたから三津が慌てて前に出て庇った。

 

 

「宮城さんの月命日なのでご挨拶に。小五郎さんこそ町で何を?まさか逢引?」

 

 

三津に疑いの眼差しを向けられ違う違うと全力で首を横に振った。

 

 

「あっ!桂様!急に居なくなるからどこ行ったかと!」

 

 

桂が全力で否定したのに桂の名を呼んで女が息を切らして走ってきた。

 

 

「ほぉ……。」

 

 

冷たい笑みで放たれるそのたった一言にはかなりの威力がある。

 

 

「三津違う!誤解だ!」

 

 

桂は走ってくる女と三津を挙動不審に交互に見た。

 

 

「もぉ!お代だけ置いて逃げるって何の嫌がらせですか!はい!お品物です!」

 

 

女は荷物を桂に押し付けて慌ただしく戻って行った。

 

 

「品物?」

 

 

「あれは和菓子屋の女将さんだよ。三津に手土産を買ってたらちょうど君らを見かけて追いかけてたらさっきの現場だよ……。先鋒隊には強く言っておかんと……。」

 

 

「良かったな勘違いじゃ。」

 

 

赤禰はごく自然に三津の頭を撫でたがそれを桂の鋭い視線が捉えた。「赤禰君最近目に余るぐらい三津に触るね?」

 

 

「可愛がるぐらいは許してくださいよ。

じゃあ私は先に行くんで二人でゆっくり帰って来てください。」

 

 

赤禰は三津の頭をぐりぐり撫でてから早足で先を行った。

三津はその背中を見送ってから桂に振り返り溜息をついた。

 

 

「もぉ子供やないんですから。」

 

 

嫉妬も度が過ぎると目に余りますと目を釣り上げた。

以前なら,君が思わせぶりな態度を取るから!と言っていた桂だが面目ないと背中を丸めた。

三津も三津で桂をこんなふうにしてしまったのは自分だと自覚しているからそこまで責められない。

 

 

「やっぱり武人さんは兄上に似てる所がありますね。

せっかく二人にしてもらいましたからゆっくり帰りましょうか。」

 

 

ここのところ入江との時間が多すぎた。桂ともしっかり話す時間は取るべきだ。三津は何を話そうかと考えていたら桂の方が口を開いた。

 

 

「三津,前にも言ったが私の事は許さなくていい。許さないと夫婦になれないとも考えないでほしい。」

 

 

「そんな事言ったらずっと根に持ちますよ?」

 

 

「いいよ。それも私が受けるべき罰だから。それよりもね,三津が私に何の関心も持たなくなる方が怖いんだ。

私の事で怒ったり笑ったり悲しんだりしてくれなくなる方が辛い。関心が薄れて何の感情も持たなくなる方が怖いんだよ。」

 

 

それなら根に持たれてそれをネタに尻に敷かれてる方がずっといいと笑った。

 

 

「覚えてる?私がだいぶ前に意地悪で私が他の女のところへ行ったらどうする?って聞いたの。」

 

 

「んー……ごめんなさい覚えてないです……。」

 

 

三津はそんな意地悪言われたっけか?と首をひねった。

 

 

「だろうね。君は,だとしたら一生懸命私の事を忘れる。と言ったんだ。やきもちすら妬いてくれないのかと衝撃だった。

でもそんな三津が久方ぶりに会ったあの時,一人にしないで置いて行かないで傍にいたいと泣きじゃくったのが本当に嬉しかった。

やっと私に固執してくれたと思ったのに自分で振り出しに戻してしまった。

だからね,これ以上君から見放されるのが怖くて堪らない。

でもどうやって君を繋ぎとめたらいいかも分からない。」

 

 

それなのに共に過ごす時間は減る一方で不安と焦りしかない。

 

 

「特別な事はしなくていいですよ?普段通り過ごしてても頭の片隅には小五郎さんが居ます。

今日も頑張ってるんやろなとか無事に帰って来てくれるかなとか。

ずっと想ってるのは難しいけど,ふとした瞬間に小五郎さんは必ず居ますからね。」

 

 

そう言って笑う無邪気な横顔に言葉が出ない。

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